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経団連、春闘で賃上げ目標見送り 好業績企業にはベア、経営側指針

経団連は6日、会長・副会長会議を開き、2022年春闘の経営側の交渉方針となる「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」の骨子案を協議した。岸田文雄首相が期待を表明した3%超の賃金引き上げには一律の対応を見送り、賃上げに関する数字目標も設けない。一方、好業績の企業には基本給を底上げするベースアップ(ベア)を含めた賃上げを促す。
 骨子案では、労使協議は「業種横並びや一律的な検討ではなく」、各企業の実情に合わせるべきだと主張。収益が増大した企業は「昇給に加え、ベア実施を含めた『新しい資本主義』の起動にふさわしい賃金引き上げが望まれる」とした。
(共同通信 12月6日)

賃上げ政策を政府・与党が強力に進めている。12月8日、岸田文雄首相は衆院本会議の代表質問で、賃上げした企業に適用するとして法人税の税額控除率を「大企業で最大30%、中小企業で最大40%、大胆に引き上げる」と述べた。
賃上げを誘導するインセンティブとしては十分に魅力的で、優遇税制の恩恵を受ける企業は内部留保の拡充にも取り組める。一方で、賃上げの原資に乏しい企業はあきらめざるをえない。
リストラを実施した企業はどうするのか。博報堂DYホールディングスは9日、連結子会社の博報堂と博報堂DYメディアパートナーズで早期退職者100人を募集すると発表した。2022年3月31日時点で満50~59歳、勤続5年以上の社員を対象とする。
リストラと賃上げは矛盾した行為だが、在籍社員の勤労意欲を喚起するには賃上げは欠かせない施策である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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