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若者就労 沖縄・群馬3倍

地域から都市部への人口流出が続く中、UターンやIターンなどといった積極的な就労支援で地域内の若年層を増やそうとする動きが活発になっている。沖縄県や群馬県では29歳以下の新規就労者がこの5年でおよそ3倍になった。取り組みを探ると、地域の未来が見えてくる。
厚生労働省の「雇用動向調査」を基に、29歳以下の新規就労者(入職者)数を集計した。2020年の新規就労者数を15年と比べたところ、最も増加率が高かったのは沖縄県。3倍の5万4000人に増えた。2位は2・9倍の群馬県(9万人)、3位は2・6倍の鳥取県(2万1000人)が続いた。24位の栃木県まで増減率がプラスとなった。
(中略)
大手就職情報会社、マイナビの新卒学生への意識調査によると、地元就職希望の比率は近年、低下傾向にあった。しかし「新型コロナの影響で実家に戻ってオンライン授業を受けている学生が、地元就職を意識するケースが増えている」(群馬県労働政策課)といった影響もあり、22年卒業予定では昨年比2・9ポイント増の57・8%に達した。
(日本経済新聞 12月4日)

 群馬県は若者の就労数が増えているだけでない。関係人口を増やせるポテンシャルをもつ自治体もあるという。
関係人口という概念を提唱したソトコト編集長の指出一正氏にインタビューさせていただく機会があった。指出氏は高崎市出身。ビジネスパーソンの居住地として高崎市の評価を尋ねたところ、次のように説明した。
「リニア中央新幹線が走り出すと、都市と都市の間は縮まっていき、『高崎は東京から遠い』という言葉はなくなります。しかもリモートワークが進展していったら、通勤という概念がガラッと変わっていきます。通勤を何のためにしているかと言えば、より良い仕事をするためで、通勤のために人生を送っているわけではありません」
 さらに指出氏はこう続けた。
「都内に通勤することも近いし、それから通勤しなくても豊かな生活を送れて、良い仕事のできるビジネスパーソンが増えることが大事なので、高崎市は優位なポジションにあると思います」
地方創生の新しい流れが形成されようとしている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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