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働きやすさに寄与 副業解禁は4割超 日経調査

日本経済新聞社がまとめた2021年の「スマートワーク経営調査」によると、在宅勤務やウェブ会議など新型コロナウイルス下で本格導入した働き方を「常時運用したい」とする企業が8割に達した。副業を解禁した企業も4割を超え、柔軟な働き方が広がった。企業は、働きやすさを生産性の向上や事業革新に結びつける実行力が問われる。 調査は5回目で、上場企業と有力非上場企業の計807社から有効回答を得た。 (中略)  自由度の高い働き方のひとつとして、副業制度も広がった。社員が社外人脈を広げ、新しいスキルを習得することで、イノベーションにつなげる試みが増えている。  働く場所や時間を社員が選べる取り組みが広がると、会社からの業務指示や期待する役割が十分には行き届かなくなる可能性もある。職務内容を明示して成果で評価する「ジョブ型」制度など、目標を明確にし自律的な働き方を促す組織づくりが課題となる。(日本経済新聞 11月5日)

パーソル総合研究所(東京都港区)が今年3月4日~3月8日に実施した調査によると、 自社の正社員が副業を行うことを容認している企業の割合(全面容認と条件付き容認の合計)は55%。2018年の調査に比べて3.8ポイント上昇した。 副業を容認する理由の1位は「従業員の収入補填」で34.3%。次いで「禁止するべきものではない」で26.9%。一方、禁止する理由の1位は「自社の業務に専念してもらいたいから」で49.7%だった。 この調査で、副業を行なう社員は年収1500万円以上の割合が急激に高まっており、職位別では部長相当以上で副業を行っている割合が最も高いという。職位の高い社員ほど仕事に関わる人的ネットワークが豊富で、スキルも蓄積していることが要因だろう。だから、みずから営業しなくとも、あちこちからオーダーが舞い込むのである。 副業には本業の収入不足を補うという利点があるが、年収1500万円超の社員の副業割合が増えると、副業の解禁によって、富める社員はますます富むという構図ができあがる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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