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第6波備えに課題…“看護師不足”待遇改善訴えも

新型コロナウイルスの感染者も少なくなり、経済活動再開に大きく舵(かじ)を切るなかで、第6波への備えも必要です。現場の訴えを取材しました。  
コロナ病棟で働く看護師(27):「全然、看護師の手が足りなくて連日、人手不足で時間内に業務が終わらなくて、やめたいなと思うことは多々ありました」  
第6波が心配されるなか、懸念されているのが看護師不足。いわゆる「潜在看護師」およそ71万人のうち、復帰は1万7000人ほどにとどまっています。  
日本看護協会・福井トシ子会長:「集中ケアの認定看護師やクリティカルケア(急性・重篤患者の看護)の認定看護師など、専門性の高い人たちがいるが、まだまだ足りない」
 潜在看護師に復職を呼び掛けていますが、看護師は離職する際の届け出が努力義務になっているため、すべての人数を把握できているわけではありません。(テレ朝ニュース 11月2日)

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は491万8300円(平均年齢41.2歳)だった。都道府県別に比較すると、多い順に青森県(540万5000円)。次いで岐阜県(530万4000円)、神奈川県(521万8400円)。少なかったのは順に大分県(405万円)、熊本県(424万4200円)、高知県(440万6700円)だった。
日本看護協会「2020年病院看護実態調査」では看護師の夜勤手当は年40万~60万円だから、他業種と比較する場合、この額を差し引いたほうがよいかもしれない。
 では、全業種の平均年収はどんな水準なのだろうか。国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると433 万円。平均年齢は 46.8 歳(男性 46.8 歳、女性 46.7 歳)。男女別では、男性 532 万円、女性 293 万円だった。
事業所規模別では、 従事員 10 人未満が 348 万円(男性 433 万円、女性 245 万円)、従事員 5,000 人以上の事業所が509 万円(男性 667 万円、女性 293 万円)と相当な開きがある。
 看護師の平均年収と単純に比較した場合、看護師には女性が多いが、民間平均の女医性よりは多く、男性よりはやや少ないという印象だ。ただ自身の心身を削るような激務を考えれば、賃上げしてほしいと考える国民も多いのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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