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昨年の平均賞与8・1%減、リーマンに次ぐ減少幅

 民間企業の社員やパート従業員らが昨年1年間に得た給与は平均433万1000円で、前年を0・8%(3万3000円)下回り、2年連続で減少したことが国税庁の調査でわかった。このうち賞与は64万6000円で、前年から8・1%(5万7000円)減少し、最近ではリーマン・ショック後の2009年(13・2%)に次ぐ減少幅だった。コロナ禍による企業活動の停滞が一因とみられる。
平均賞与の減少幅を業種別にみると、「宿泊業、飲食サービス業」の前年比35・9%減が最大だった。次いで、旅行や娯楽などを含む「サービス業」が16・3%減、「製造業」が11・3%減だった。
(読売新聞オンライン 9月29日)

 コロナ禍で勤め人の収入は官も民も減っていく。人事院は8月10日、2021年度の国家公務員給与改定で、民間企業の賞与水準が公務員を下回ったことを受けて、期末・勤勉手当の年間支給月数を0.15カ月分引き下げて、4.30カ月とするように国会と内閣に勧告した。
給与は変更しないが、賞与の減額は2年連続である。
 日本銀行も賞与を引き下げる。給与は改定せず、5月と11月賞与の支給率は、管理職以外の職員が2.124カ月、管理職が2.269カ月。年収は、管理職、管理職以外の職員ともに0.6.%の引き下げとなる。
 緊急事態宣言が終了して、宿泊業と飲食サービス業はにわかに活気づく機運だが、ふたたびGo To Eat キャンペーンは実施されないだろうし、コロナの季節性を踏まえると昨年同様に10月下旬から感染が拡大し、第6波の到来も考えられる。宿泊業と飲食サービス業を巡る経営環境も不透明で、この業界で働く社員の給与・賞与ともコロナ以前に戻ることは難しいのではないだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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