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上場企業の非正規21万人減――日本経済新聞調べ

上場企業が2020年度にアルバイトや契約社員ら非正規従業員を約21万人減らしたことが分かった。新型コロナウイルス禍による休業や工場の操業度低下などで働く場が減少した。正社員が1万人強の減少にとどまったのとは対照的だ。
立場の弱い働き手に学び直しの機会を提供するなどキャリア形成を後押しする対策が求められる。
上場企業の多くが有価証券報告書で「平均臨時従業員数」などとして公表している非正規従業員数(年度内の平均人数)を日本経済新聞が集計した。前年度と比較できた2543社(上場子会社や変則を除く、上場企業の約65%)の合計で、前の年度から21万5953人(5%)減った。
非正規従業員はデータが取れる10年度以降一貫して増えたが、コロナの影響で19年度に1万3122人(0・3%)減と初めてマイナスに転じてから2年連続で減少した。一方、20年度の正社員数は1万4825人(0・1%)減だった。非正規従業員は36業種のうち30業種で減った。
(日本経済新聞 9月26日)

非正規雇用について2021年度「経済財政白書」が取り上げている。先進国で臨時雇用の比率がもっとも高いのは英国で、次いでオランダ、フランスの順番。日本が中位にランクされていることから、白書は「非正規雇用の増加は、我が国だけの特徴ではない。先進国でおおむね共通して見られる傾向である」と指摘している。
一方、非正規雇用者の家計貯蓄にもスポットを当てている。賃金が低く、雇用が不安定であることを背景に、消費に走るとは思えない。たぶん貯蓄性向が高いのではないか。
総務省「家計調査」では、案の定、非正規雇用者が世帯主である家計(世帯主年齢 25歳から40歳)では、相対的に貯蓄率が高くなる傾向が見られた。
白書は「非正規雇用が、個別の家計レベルにおいても、ある程度将来の 所得リスクとして認識され、消費を抑制する行動を招いている可能性があることを示している」と分析している。
コロナ禍で非正規雇用が21万人減少したというが、失業者はどうしているのか。貯蓄率が高くとも先細りだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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