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ホンダの早期退職制度、2000人以上応募…EV開発など世代交代へ

ホンダが今年度から始めた早期退職制度に、2000人以上が応募したことがわかった。国内従業員数の約5%にあたる人数で、電気自動車(EV)の開発加速などに合わせ、技術者などの世代交代を進める。   
対象は55~63歳の正社員で、4月から5月中旬まで募集していた。人数の目標は設定していなかった。応募者には、退職金を上乗せ支給し、再就職先を探す活動も支援する。
 ホンダは2040年に世界で販売する新車の全てをEVと燃料電池車(FCV)にする目標を掲げている。一方で、ガソリン車を中心としてきた四輪事業は、利益率などが低迷している。次世代車の開発加速と、人員構成の見直しといった構造改革を並行して進める。
 ホンダは早期退職制度を2011年に廃止していたが、昨年12月、21年度に再び導入することを明らかにしていた。
(読売新聞オンライン 8月5日)

 今年4月から70歳までの雇用が努力義務に課せられたが、ビジネスモデルの変革にともなう世代交代を急ぐ企業にとっては、それどころではないようだ。人事方針が転換した以上、経済事情に支障が出なければ、キャリアにケリをつけるのは現実的な選択肢である。
黒字リストラを実施する企業は、退職金も弾む。ホンダで希望退職に応じた社員も70歳まで働きつづけるよりも、上乗せ分の退職金を手にして、キャリアチェンジを図りたいと考えたのではないか。
 一方で、人員確保に苦労している業界では、70歳までと区切らずに。働きつづけられる限り雇用する例もある。
恵寿総合病院(426床)を運営する社会医療法人財団董仙会(石川県七尾市)は、今年7月に新人事制度を発足させた。60 歳までを「ファーストステージ」、60 歳を「キャリアポイント」、60 歳以降も正職員として勤務する「セカンドステージ」に分類。60 歳以降も正職員として働いて退職する場合には、ファーストステージの退職金にセカンドステージの功労金を上乗せして、支給される。 いったん60 歳で退職して、嘱託職員やパート勤務も選択できる。
正職員、嘱託職員、パートの職制ごとの責任の負担については、人事評価の資格要件項目に明記されている。
医療・福祉は人手不足だけでなく、大きなビジネスモデルの転換がないので、組織の新陳代謝もさほど求められていない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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