Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

投資銀行ラザード、新人アナリストの給与を10万ドル超に引き上げ

投資銀行ラザードは3日、米国で財務助言を行う新人アナリストの給与を引き上げると発表した。大手米銀に匹敵する水準とする。
具体的には、1年目のアナリストの年俸は最低10万ドル、2─3年目のアナリストは11万ドルとする。
投資銀行ではこの1年、前例のないほど業務が繁忙だったことを受け、新入行員の給与を引き上げる動きが相次いでいる。
シティグループ、モルガン・スタンレー、UBSグループ、ドイツ銀行も、1年目のアナリストの年俸を約1万5000ドル引き上げ、約10万ドルとした。
ゴールドマン・サックス・グループも、投資銀行部門の若手社員の給料を引き上げたと報じられている。
(ロイター 8月3日)

投資銀行ラザードでは、入社1年目から日本円に換算して年収1000万円以上が支払われる。この層にはCEOまで出世する人もいるだろうが、起業して軌道に乗ったら会社を売却してセミリタイアに入る人も少なくないのではないか。
相場をはるかに上回る高額な報酬を得ても、ハードワークには賞味期限がある。上の世代が燃え尽きる様を見ていれば、どこかのタイミングでソフトランディングを考え、私生活中心主義への切り替えに入るのは自然な流れだ。
たとえば30代で一定の財産を築いて早期退職し、支出を抑えながら資産運用によって悠自由な生活を送る「FIRE」(Financial Independence Retire Early)が、ミレニアル世代(1980年~1995年に生まれた世代)のライフスタイルとして普及しつつある。FIREはたぶん次のZ世代(1996年~2015年生まれ)でブレイクする可能性もある。
ただ、FIREがあまり増え過ぎると、国策としては労働力確保に大きな支障が発生する。生涯現役政策に相反するライフスタイルであるだけに、フルタイム勤務への政策誘導が模索されるに違いない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。