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来春卒の内定率68.5% 過去2番目の高さ 6月1日時点

リクルート(東京)が7日発表した2022年春卒業見込みの大学生の就職内定率(6月1日時点)は68.5%だった。新型コロナウイルス感染拡大で企業の選考活動に遅れが生じた前年同時期を11.6ポイント上回り、20年卒の70.3%に次ぐ過去2番目の高さとなった。
深刻な人手不足に悩む企業の間で、選考活動を前倒しする動きが戻ってきている。前月1日時点と比べると17.2ポイントの上積みとなった。  
内定を出した企業を業種別に見ると、情報通信や小売り、金融・保険、医療・福祉などが前年同時期より多かった。製造業、不動産などは少なくなっている。  
リクルートの広報担当者は「今年は例年より内定を辞退する学生が目立ち、企業は採用スケジュールの見直しや追加募集などで対応している」と指摘。内定獲得の機会が広がっていると分析している。
(時事通信 6月7日) 

 新卒採用が回復し、中途採用が活況を呈する一方で、シニア世代を対象に早期・希望退職が増えている。人材の入れ替えが一気に進んでいるが、コロナ以前に進行していた黒字リストラが加速しそうな勢いだ。
国民全体の高齢化は世界の先陣を切って進んでいるが、産業界全体の若返りが一気に図られつつあるようだ。
東京商工リサーチの調査によると、2019年3月期決算の上場企業1,841社の平均年齢(中央値)は41.4歳。前年同期(41.2歳)より0.2歳上昇した。平均年齢の上昇は、調査を開始した10年3月期以降、9年連続で上昇をたどり、10年3月期(39.5歳)からの10年間で1.9歳上昇した。
 業種別では、建設業が43.4歳(前年同期43.4歳)で最も高く、最も低かったのはサービス業の39.0歳(同39.1歳)だった。
 個人差が大きいとはいえ、年齢と活力には相関関係がある。一般に40代半ばを過ぎれば体力が顕著に落ちるだけでなく、思考も経験則に拘泥しがちになっていく。革新的な経営を実践する高齢の大物経営者もいるが、あくまで例外である。“その他大勢”には参考にならない。
 70歳までの雇用延長で産業界全体の平均年齢は、今後も上がっていく。その流れにあって、中枢を担う人材が若返らないとイノベーションも期待できない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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