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国家公務員定年延長法案、13日にも閣議決定 首相、再提出表明

菅義偉首相は5日の参院決算委員会で、国家公務員の定年を延長する国家公務員法関連法案を今国会へ再提出する方針を表明した。検察庁法改正案も含むが、同法案の検察幹部の定年延長の「特例規定」は削除した。13日にも閣議決定する。 
関連法案は、約10本の個別法案を一括した「束ね法案」になる見通しだ。国家公務員法改正案は、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に延長する内容。検察庁法改正案は、検察官の定年を63歳から65歳にする。首相は決算委で「複雑、高度化する行政課題に的確に対応していくには、定年の引き上げが必要だ。早期提出に向けて準備を進めている」と語った。  
検察庁法改正案を含む関連法案は、世論の批判を招き2020年の通常国会で廃案となっていた。廃案前の検察庁法改正案には、内閣や法相の判断で検事総長や検事長らの定年を「最大3年間延長」できるとした特例規定が盛り込まれていた。
(毎日新聞 4月5日)

国家公務員にも生活がある。60歳以降も生計を立てるには働かざるを得ない人も多いはずだ。共済年金は厚生年金よりも多いが、差は月に数万円程度に過ぎず、それだけは十分に暮らしていけない人もいるだろう。
しかし許認可の対象業界への天下りには、利権の影が付きまとう。この問題を是正するには、定年延長がひとつの手段になり得る。
そもそも民間企業が天下りを受け入れる動機は、所管省庁との橋渡し機能を期待しているからだ。情報をいち早く入手するとか、幹部職員に面談するとか、補助金の取得ノウハウを得るなど何かと利点があると期待しているのだが、天下った人によっては、古巣への橋渡しを忌避する例もある。
公務員は民間人に転じた途端、権限を失う。古巣にアプローチする場合、かつての部下や後半に頭を下げて頼むことが通例で、けっして気分の良い行為ではないという。厚生労働省出身者を理事として受け入れた医療法人の場合、本人が「そんなことはできない」と厚労省への口利きを拒否したという。
同法人の事務長は「厚労省との橋渡しができないのなら受け入れた意味がない」とこぼしていた。その理事は2年の任期を終えた時点で再任されず、法人を去ったという。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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