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看護職員の離職率増加 新型コロナ感染拡大が影響か

日本看護協会が、全国の医療機関に勤める看護職員の離職率について昨年度の状況を調べたところ、全体で離職率は11.5%と前の年度よりも増えたことが分かりました。協会は、去年1月から3月に新型コロナウイルスの感染拡大が始まったことが影響した可能性もあるとしています。
この調査は日本看護協会が毎年、行っていて、昨年度、去年3月までの1年間の看護師や保健師など正規雇用の看護職員の離職状況について全国8200余りの医療機関を対象に調査を行い、およそ3800から回答を得ました。
 それによりますと、昨年度の離職率は看護職員全体で11.5%と前の年度から0.8ポイント増加したということです。
 このうち、新卒で採用された看護職員の離職率は8.6%で、こちらも前の年度を0.8ポイント上回っていました。
また、病院ごとにみてみますと、離職率が20%以上だった病院は全体の21.2%に上り、前の年度の10.4%から倍増していました。
(NHK 3月27日)

看護職員の安定的な確保に向けて、日本看護協会は3 月25日、厚生労働省の坂口卓雇用環境・均等局長に、令和4年度予算・政策に関する要望書を提出した。要望事項は「.看護職員等について、介護のための所定労働時間短縮の措置義務化」である。
日看協によると、看護職員の12人に1人が家族等の介護をしながら就業している実態があり、40~ 50 代ではその割合がさらに高まっている。「現在介護のための所定労働時間の短縮は、選択的措置義務の一項目とされているが、利用の希望も多い。介護のための所定労働時間の短縮の措置義務化は、仕事と介護との両立支援、ひいては介護離職防止に有効であると期待される」という。
日看協の要望に対して、坂口局長は次のように述べた。
「今国会では男性の産休の新設等を柱とする法改正について審議いただくこととしており、仕事と介護の両立策は今後の課題となる。看護職員の仕事と介護の両立にあたって所定労働時間短縮のニーズがあることは承ったのでので、今後実態を把握しながら検討していきたい」
医療従事者には、患者・利用者の家族という側面もある。それだけに格別の配慮が必要である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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