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「管理職になってもいいよ」と思える年収は? 男女で違い

管理職になってもいいと思える年収は? 30~40代のビジネスパーソンに聞いたところ「1000万円」(21.4%)と答えた人が最も多く、次いで「500万円」(14.2%)、「800万円」(13.5%)であることが、SMBCコンシューマーファイナンス(東京都中央区)の調査で分かった。平均は1033万円。
管理職になってもいいと思える年収は、前回の調査結果(2019年12月に実施)と比較してどのくらい違いがあるのだろうか。男性の30代は156万円減少(前回調査1277万円→今回調査1121万円)、40代は81万円減少(1123万円→1042万円)したのに対し、女性の30代は83万円増加(863万円→946万円)、40代は247万円増加(751万円→998万円)。男女で対照的な意識の変化がみられる結果となった。
(ITmedia ビジネスオンライン3月17日)

 管理職に就けば額面の年収こそ増えるが、手取りは格別増えるわけでもないのに、業務負荷が格段に増えて割に合わない。そう考える人が増えているという。企業戦士として突き進む旧来型の立身出世街道に惹かれなくなったのだ。
 昇進祝いの宴や品も激減しているのではないか。そもそも昇進が祝いの対象として扱われなくなってきている。企業戦士として滅私奉公をもって昇進を続ける上司や先輩は、もはやロールモデルではなくなったようだ。
 だが、こうした指向性には落とし穴もある。40歳前後で転職するときに問われるのは管理職経験である。会社の規模にもよるが、この年齢に達していたら、少なくとも10人程度の部下を統括した経験がないとビジネスパーソンとして及第点を付けてもらえない。
「この年齢になればプレーヤーとしての伸びしろはあまり期待されず、マネージャーとしての手腕が求められるようになってくる」(人材紹介会社コンサルタント)
 若いうちはそこまで視野に入れないだろうが、すでに終身雇用を前提としない働き方が必須となっている。求人側のニーズも踏まえておいたほうが現実的だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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