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正社員不足の企業減少 帝国データバンク調査

帝国データバンクが実施した1月の企業の人手不足に関する調査によると、正社員が不足している企業の割合は36%となり、前年同月比で14ポイント減少した。業種別では「旅館・ホテル」の正社員の不足割合が5%と、2006年5月に調査を開始して以来、最低となった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの業種で人手不足感が大幅に低下している。
正社員について「不足している」と回答した企業は36%だった。新型コロナの影響が拡大する直前だった20年1月から14ポイント減少し、14年1月とほぼ同水準になった。「適正」と回答した企業は47%で同6ポイント増加した。
正社員が不足している企業を業種別にみると、「放送」が全同月比21ポイント減の56%でトップ。公共工事が好調な「建設」が55%、「情報サービス」が53%で続いた。在宅勤務などリモート需要の高まりで「電気通信」は同7ポイント増の44%となり、全業種で唯一増加した。
(日本経済新聞 3月9日)

産業界全体の人材の過不足状況にかかわらず、人材不足が是正される機運にないのが介護業界だ。厚生労働省の社会福祉連携推進法人の在り方等に関する検討会がさる3月8日に開いた検討会でも、人材確保が議論の対象になった。
来年4月にも発足が見込まれている社会福祉連携推進法人は複数の社会福祉法人の連合体で、主要業務のひとつに人材確保が想定されている。8日の検討会に提出された厚労省資料には決意のこもった記述が盛り込まれた。
<福祉・介護の仕事が生涯働き続けられる、やりがいのある職業として認知されるとともに、今後の福祉・ 介護ニーズを踏まえ、他産業にも増して国民から選択される職業として確立していく必要がある>
 この検討会では、社会福祉法人には技能実習制度の監理団体として外国人介護人材のサポートが認可される方向が示された。ただ、技能実習制度の趣旨は母国への技能移転なので、人材確保に位置付けるのではなく、経営支援業務に入れるという。苦肉の策だが、やむをえない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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