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パソナ、50歳から転職支援転職・起業・適性みて指導

人材サービス大手のパソナグループは2月中に、大企業で働く50歳以上の現役社員の転職や起業を支援する事業を始める。適性を判断して転身に向けた指導をする。4月から70歳まで就業機会を確保することが企業の努力義務になり、企業にとってはシニア世代の活用が課題になる。人材が余剰な企業の需要を見込み、人材不足の業界や企業への供給にもつなげる。企業向けに「セーフプレースメント・トータルサービス」を提供する。定年退職が近づいてからではなく、早くから自らのキャリアを描き出す手助けをする。子会社のパソナが担当する。導入企業に在籍する社員を対象に、まずキャリア形成の重要性を意識させるセミナーなどを開くほか、必要性に応じて一人ひとりに個別に指導する。パソナの専門のキャリアコンサルタントが、各社員の業務スキルや適性などを診断する。転職を意識する社員には、派遣などで培ったネットワークをいかす。パソナマスターズ(東京・千代田)が手掛けるシニア層の人材派遣や、幹部社員を中小企業に紹介するサービスなどグループで連携する。(日本経済新聞2月22日)

勤め人が70歳まで働くことが当たり前になる時代が間もなく到来する。もっとも多いのは60歳で定年退職後、再雇用で70歳まで働くパターンだろう。転職にともなうミスマッチを回避できる。ただ、若年世代のサポート役に廻るので、セカンドキャリアとしては中途半端だ。キャ
リアを積みながらスキルアップを図り、収入も増やすというシナリオは描けない。セカンドキャリアのスタートはもっと早いほうがよい。その点、パソナグループが50歳以上の社員のキャリアチェンジをサポートする取り組みは期待できる。50歳なら新たなキャリア形成に意欲的に立ち向かえる。一般に40代に入れば昇進・昇格の目途が見えてくるものだ。限界が見えれば勤労意欲も停滞し、スキルの陳腐化も避けられない。人件費が高い世代だけに“赤字社員”になりかねない。終身雇用がとうに終焉したのだから、若いうちからセカンドキャリアを想定した働き方がきできる環境整備が必要である。早期・希望退職は突然告知されるから戸惑うのだ。数年の期間をもって告知されば、生活設計を見据えたキャリアチェンジができる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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