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看護職の求職者、60歳以上が増加日看協調査

日本看護協会(会長・福井トシ子、会員76万人)は、看護職の求職・求人・就職に関する報告として、2019年度の都道府県ナースセンターの登録データの集計・分析結果をまとめた。都道府県ナースセンターは、都道府県知事からの指定を受け、運営している。全国89カ所、うちサテライト・支所42カ所のナースセンターを運営、看護職の無料職業紹介事業や潜在看護職の復職支援事業を実施している。日看協は今回の集計・分析の概要として、2019年度の求人倍率、求人、求職者、就職者の状況、応募・就職の状況から、施設種別の状況、プラチナナース(60歳以上の看護職)の状況を中心に報告した。求人の状況(求人倍率)は、求人数158,602人、求職者数67,710人、求人倍率2.34倍。.求職者の状況は60歳以上が増加して、2015年度と比較して1.7倍に増加。就業している求職者の退職したい理由は、「看護職の他の職場への興味」(13.6%)が最多だった。(日本看護協会2月17日)

看護師の職域は、保健師助産師看護師法で看護師以外が規定された看護業務を禁止することで守られている。これを「業務独占」という。これに看護師不足が重なって、看護師は転職先に困らないからなのか、転職が多い。日看協調査で、就職者が求職時に重視していた条件は、「勤務時間」(29.3%)が最多、次に多かったのは「通勤時間」「給与」で、ともに20.0%。その次が「看護内容」(18.7%)の順だった。
看護師が新卒で就職する先は急性期大病院が多いが、これが転職人生のキッカケになっているという。都内の民間病院で働く中堅看護師が語る。「新卒で就職する病院を自分の考えで選ぶ人は少ない。就職先で一番多いのが学生時代に研修を受けた病院で、その理由は恩義を感じていること。ただ、研修先の病院は学校から割り当てられ、自分の希望で選ぶわけではない。それから親が病院の情報を入手して就職先を勧めてくることも多い」自分の判断で選択なければ、ミスマッチも多いのではないだろうか。「国公立病院と民間病院では看護の方針も違う。経験を積むことで自分のめざす看護が見えてきて、めざす看護と勤務先の方針が違っていれば転職してしまう」ただ、コロナ禍にあっては心身の限界など深刻な事情もあって、それどこではないだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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