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残業代、リーマン・ショック以来の減少幅

厚生労働省が9日発表した2020年の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、基本給や残業代などを合わせた1人当たりの現金給与総額(名目賃金)は31万8299円で、前年より1.2%減った。減少は2年連続。残業代に当たる所定外給与が12.1%減で、リーマン・ショックの影響を受けた2009年以来の減少幅になったことが響いた。
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令され、飲食業を中心に休業や時短営業を余儀なくされたことも一因とみられる。残業代の減少幅は娯楽業や飲食業で大きかった。
(共同通信 2月9日)

 残業代だけでなく賞与の減少も顕著になった。STVNEWS(2月8日)が北海道内企業の冬季賞与の状況を報じた。報道によると、北海道経済連合会が調査した2020年度の冬季賞与の支給状況は、回答企業(183社)の平均妥結・決定額は50万8763円で、前年同期を3.79%下回った。下落率は2008年のリーマン・ショック直後の調査(3.70%減)を超えた。
前年比でマイナス幅が大きかったのは「運輸」(11.25%減)「卸売・小売」(9.06%減)などでした。一方、20年度夏季賞与の調査(前年比1.77%減)よりも前年比のマイナス幅は拡大した。
「大都市圏の緊急事態宣言や、北海道独自の集中対策期間の影響が反映される2021年度の夏季賞与はさらに厳しい数字になることも予想される」(STVNEWS)という。
 残業代も賞与も本来は余禄だが、多くの勤め人は生活給として計算している。余禄への切り替えは難しい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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