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転職しても賃金増えず 「前職より増」7四半期連続で低下

転職で前職より賃金が増える人の割合が減っている。リクルートキャリアによると、2020年10~12月期に同社のサービスを使って転職した人のうち、賃金が1割以上増えた人の割合は前年同期より3.2ポイント低い26.4%となった。低下は7四半期連続。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、企業が積極的に人材を確保する動きが弱まっている。
10~12月期の下げ幅は欧州債務危機の影響で景気が低迷していた12年4~6月期以来の大きさ。調査対象5業種のうち4業種で賃金の上昇圧力が前年より弱まった。
下げ幅が最も大きかったのは「接客・販売・店長・コールセンター」で8・4ポイント低い30%だった。サービス業はコロナ禍の影響が直撃している。
「ITエンジニア」「機械・電気・化学エンジニア」、経営企画や人事・法務など「事務系専門職」の3業種も低下した。「営業職」は生命保険会社などが営業人材を積極的に採用したため、1・3ポイント高い29・5%だった。
リクルートキャリアによると、10~12月期時点では対面型の仕事でも一部で求人が回復する傾向にあったという。
年明け以降は緊急事態宣言の発令などで再び経済の不透明感が高まっている。
(日本経済新聞 1月19日)

2018年に経済産業省が発表した「2050年までの経済社会の 構造変化と政策課題について」によると、17年時点で、正規雇用で一度も退職せず「終身雇用」パスを歩んでいる男性(退職回数0回) は、 30代後半で42%、40代で38%、50代前半で36%だった。
つまり30代後半以降は、正規雇用者の半数以上が転職を経験している。そのなかでも、転職の多い職種のひとつが介護職だ。
一般に介護職は給与水準が低いから離職が頻発すると思われているが、実情は必ずしもそうではない。転職しても前職と同額の給与が約束される職種ゆえに、離職が頻発するという背景もある。
約8万人の介護職が加盟する日本介護クラフトユニオンの調査では、介護職の離職理由で最も多いのは職場の人間関係で、給与水準は2番目の離職理由である。よほど人間関係が殺伐としているのかという印象を持ちかねないが、実態はやや異なる。
人手不足がつづく介護職の場合、他の事業所に転職しても、前職と同額の給与が用意されることが多い。給与に関する限り転職リスクが低いため、ストレスを感じる人間関係が発生したら、我慢をせずに転職する傾向が多いという。
介護業界関係者によると、こんな実態もあるようだ。
「退職を申し出るときに人間関係を理由に挙げれば、他の職員を批判することになりかねないうえに、自分の立ち居振る舞いも問われる可能性もある。しかも人手不足の折に、スンナリと受理されるとは限らない。だから家庭の事情を退職理由に挙げる人が多い」

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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