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三陽商会が正社員の早期退職募集、人数定めず 保養所も売却

三陽商会は21日、40歳以上の正社員(販売職を除く、年齢は退職時)を対象に早期退職者を募集する「セカンドキャリア支援制度」を実施すると発表した。募集人員は特に定めず、同日から来年1月29日まで受け付ける。退職日は来年2月28日で、所定の退職金に加えて支援金や再就職支援などを行うとしている。
支援金などの費用は特別損失として21年2月期決算に計上予定だが、業績見通しへの影響は確定次第、速やかに公表するという。
同社は神奈川県箱根町と千葉県勝浦市に保有する計2カ所の保養所の売却も決議した。譲渡益約3億8000万円は特別利益に計上予定だが、通期業績予想には織り込んでいる。
(ロイター 12月21日)

カシオ計算機が100人、キーコーヒーが100人、オリンパスが950人、曙ブレーキが180人、アタブール松屋グループが30人――12月に入ってから公表された早期希望退職の募集である。まだまだ出てくるだろう。
雇用への不安は調査結果にも現われている。連合が11月に労働者1000人を対象に実施したアンケート調査によると、新型コロナウイルス感染症の今後の状況や会社の業績等を踏まえ、自身の雇用に 「不安を感じている」は 25.2%、「どちらかといえば不安を感 じている」は 32.9%。計 58.1%におよんだ。
連合は「コロナ禍の収束の見通しが立たないために、自身の雇用に対し不安を感じるという人が多いのではないか」とコメントしている。これだけ雇用不安が広がるなかで、労働者は雇用維持に何が必要だと考えているのだろうか。
この調査で最も多かった回答は「休業補償」(46.8%)で、以降、「テレワーク体制の変化」(27.8%)、「転職支援」(19.8%)、「在籍出向」(5.1%)、「転籍出向」(4.9%)という順になった。だが、早期希望退職が相次ぐと、経営悪化に直面した企業は、社員が望むこうした措置を検討する手間を省いて、退職を促す流れが加速しかねない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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