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外国人労働 環境改善急ぐ 政府、資格なしバイト容認

政府は新型コロナウイルスの感染拡大が長引いているのを受け、外国人労働の環境改善を急ぐ。短期滞在など本来は認められない場合でも条件を満たせばアルバイトで働けるようにする。特定活動や技能実習の職場変更を認める措置を続ける。
出入国在留管理庁はコロナで帰国が困難な外国人を対象に週28時間以内のアルバイトを認めるようにした。保有する在留資格では就労できず、帰国できない事情があれば資格外活動の許可申請ができる。
コロナで航空便が確保できない人や日本に残っても親族や所属機関からも支援が受けられない人を対象にする。今月なら運用を始めた。
技能実習生や特定技能の外国人は原則、決まった職場でしか働けない。宿泊などの業者が休業を強いられ、働き口を失った外国人も多い。入管庁は4月に職を失った技能実習生が異業種へ転職できる特例を設けた。感染収束まで継続する。
コロナで解雇された外国人が日本でトラブルを起こす問題が生じている。技能実習の入国で半数を占めるベトナム人が失踪し、事件を引き起こす例が顕在化している。
(日本経済新聞 12月15日)

ベトナム人技能実習生グループが家畜を盗むという蛮行におよんだ背景に、解雇された実習生に対する公的な支援体制の欠落が指摘されている。
東京都は12月4日、「東京外国人材採用ナビセンター」を開設した。将来の労働力不足を補う目的で外国人材の採用に関心を持つ中小企業に対して、外国人材の採用から定着まで受入段階に応じたきめ細かなサポートを行うとともに、東京での就職を希望する外国人材に対して、就職活動を支援する。
支援内容は、中小企業に対しては①専門アドバイザーによる外国人材の採用・定着に関する相談②コンサルタントによる伴走型支援③採用や活躍促進に関するノウハウセミナー、マッチングイベント。
一方、外国人材に対しては①専門相談員(グローバルキャリアナビゲーター)による就職相談(多言語可)②就職セミナー、マッチングイベント③就職活動用スペースの開放――などを提供する。
技能実習生を含む外国人労働者の支援は、本来、相手国との窓口となって受け入れを仲介する監理団体が担うべきだが、なかなか機能していない。その見直しも焦眉の課題である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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