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4割超が年末賞与引き下げ 医療機関「夏より悪化」 新型コロナで・労組調査

病院や診療所などで働く約17万人が加入する日本医療労働組合連合会(医労連)は26日までに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、医療機関の4割超が看護師らの年末賞与を昨冬より引き下げたとする調査結果を公表した。
医労連によると、今夏の賞与を引き下げていた医療機関は3割超で、医労連の森田進書記長は「状況は明らかに悪化している」と述べた。新型コロナへの感染を恐れた患者が通院や入院を敬遠する状況が続いていることが大きな理由という。
医労連は11月、各医療機関の労働組合に調査への協力を依頼。25日までに298組合から回答を得た。
(時事通信 11月26日)

医療機関の業績が悪化した要因は、外来患者数減少、新規入院患者数減少などである。
日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会が実施した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査」第2四半期(2020年7月~9月)の業績は、大きく落ち込んだ第1四半期(4~6月)から若干回復の兆しを見せたが、悪化傾向がつづいている。
この調査報告は<患者数、手術件数は回復傾向にはあるものの、 対前年では完全に回復できていないことから、9月にいたるも対前年と比較し厳しい経営状況が継続している状態>と述べ、今後の状況を憂慮した。
<今後は冬季賞与の支払い等、病院の資金需要が増加していく時期となる。必死の努力に より昨年度並みに入院、外来患者数を戻そうとしても、小児科、眼科、耳鼻科等の診療科では、受診控えが続いており、近未来の病院経営を再考する時期に来ている>
病院の経営悪化に対しては、第一次・第二次補正予算で緊急包括支援交付金が交付されているが、都道府県を介するために都道府県によって交付状況に差が出ている。調査報告は<地域における良質な医療提供体制を維持する為に、スムーズな緊急包括支援交付金の病院への支給が極めて重要と思われる>と要請している。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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