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東京六大学が就活セミナーを開催…六大学で得たものを選手たちはどう生かすのか

東京六大学野球連盟は18日、就職セミナーをオンライン(ウェビナー)で開催し、六大学の野球部と応援部の新4年生、約170人が参加した。
大学野球リーグの中で、最も長い歴史を持つ東京六大学。4球団が競合したアマ№1投手の早大・早川隆久ら、今年は7人のプロ選手を輩出。ほかにも、社会人野球チームなどで野球を続ける者もいれば、野球を引退して一般企業に就職する者など、進路はさまざまだ。
22年卒業予定の大学生の就職活動スケジュールは、来年3月に採用情報が解禁されてエントリー受付開始、6月に面接などの選考解禁となっているが、だからといって3月から就活を本格的に始めるのでは遅い。今回のセミナーでは一般企業に就職する者が就活に出遅れないよう、今後のスケジュールやESの書き方、SPIなどの筆記試験や面接対策といった就活の情報などを講師がアドバイスした。
オンラインではあったが、質疑応答も行われた。野球部員から「面接などでのエピソードとして野球を頑張ってきたというエピソードだけでライバルに勝てますか」という質問に対し、アスリート・キャリアアドバイザーの木下博之氏は「エピソードだけでなく過程をしっかり説明して、その結果、どうなったのか、何を得たのかを説明できなければ面接官に何も伝わらない」とアドバイス。

(スポーツ報知 11月19日)

体育会系の学生が企業に好まれるのはバイタリティーやチームワーク、上意下達の精神などに長けているという期待が大きいからだろう。あるいは「うちの会社は体育会系」とアピールする例を見ると、ほとんどが社員のテンションの高さを理由に挙げるから、これも体育会系学生に期待する要素なのかもしれない。
20年以上も前だが、家電メーカーの人事担当者は「体育会出身者は、ここ一番という状況での気迫が違う」と評価していた。たしかに難局を突破するためには気迫も必要で、その気迫が商談相手を呑みこんでしまうこともある。
だが、体育会出身者のなかでも全日本クラスになると、頭脳派が多いという。このクラスには体力と技術だけでは到達できない。目標設定能力、検証能力、修正能力などがすぐれていないとトップクラスには飛躍できないという。
現役時代に柔道のオリンピック強化選手に選ばれたスポーツ施設経営者はこう話した。
「多くの現役選手はPDCAという言葉は知らないかもしれないが、全日本クラスの選手は高校時代からPDCAサイクルを廻しつづけている。私は現役引退してから人材サービス会社に就職して、そこでPDCAを知ったが、現役時代に実行していた仕組みだと気づいた。ビジネスもスポーツも成果を出すプロセスは共通していると実感した」
体育会出身者で企業人として活躍する人材は、PDCAサイクルを廻すことが身体に染みついているのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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