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中途採用求人倍率、10月1.65倍に上昇 求人数増加

パーソルキャリア(東京・千代田)が16日発表した10月の中途採用求人倍率は1.65倍だった。前月比0.04ポイント上昇し、8月と同水準に戻った。求人数の増加が求職者の増加を上回り、倍率を押し上げた。
中途採用求人倍率は同社の転職サービス「doda(デューダ)」に登録された求人数を転職希望者数で割って算出する。
10月は年度の下半期が始まり、来年に向けた動きが増えた。企業は即戦力を中心に事業拡大を見込んだ求人を出しており、求人数は前月比6.2%増加した。「求人を出す企業数の増加が目立った」(喜多恭子「doda」編集長)といい、全業種でプラスになった。「金融」が同14.5%、web広告などの「メディア」が同17.6%と増加幅が大きかった。
求職者も1月入社を目指して転職活動を始める人が増加し、同3.8%増えた。
(日本経済新聞 11月19日)

コロナ禍での解雇や雇い止めは、厚生労働省によると11月13日時点で7万1121人。業種別に見ると製造業の1万3671人がもっとも多く、次いで飲食業1万563人、小売業9551人と続いた。
新型コロナウイルス感染症拡大が収束しても、景況が速やかに回復して求人が増えるとは限らない。だが、パーソナルキャリアの調査では求人数が増加しているという。解雇・雇い止めが目立つ一方で、基調はあくまで人手不足なのだ。
人手不足は中長期的につづく。それは総務省の集計を見れば明らかである。
総務省によると、2004年に1億2784万人、30年に1億1522万人、50年には1億人を下回って9515万人、2100年には4771万人にまで落ち込む。同時に04年に19.6%だった高齢化率は、それぞれ31.8%、39.6%、40.6%へと上昇していく。
当然、生産年齢人口は減少する。05年の8442万人(総人口比66.1%)から50年までに約3500万人が減少し、50年には4930万人(51.8%)に落ち込む。
こうした人口動態を踏まえれば、ますます外国人労働者に頼らざるを得ないほど人手が足りなくなる。同時に経済規模も縮小していくが、いまのところ、デジタル化以外に経済力強化のシナリオは見出せていない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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