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日航、冬賞与0.5月分に 8割削減、再上場後で最低

日本航空は12日、ボーナスに相当する今冬の一時金を基本給の0.5カ月分とする方針を労働組合に伝えた。新型コロナ流行による業績低迷により、昨冬の2.5カ月分から約8割の大幅減少。経営破綻を経た2012年の再上場後で最低となる。一時金とは別に、1人当たり最大10万円の特別手当も支給する。月内に労働組合の同意を得たい考えだ。
国際線を中心に巨額の赤字が当分続くと見込まれ、人件費の支出を抑える。航空大手では全日本空輸が今冬の一時金をゼロにしている。
日航の一時金は、本業のもうけを示す営業損益の黒字が春ごろに見込めた場合、夏冬それぞれ2カ月分を基本に支払う仕組み。
(共同通信 11月12日)

「キャリコネ企業研究Resaco」によると、日本航空の平均年収は839.3万円。中央値は30代で平均年収726.3万円である。
 職種、年代ごとの年収目安は、業務企画職は20代(担当職)450~500万円、30代前半(主任)、550~600万円、課長代理700~800万円、課長1000万円超。自社養成パイロットは、副操縦士1000~1300万円、機長1400~1500万円。
客室乗務職は、20代前半350~400万円、20代後半400~500万円、リーディングキャビンアテンダント約700万円、管理職以上1000万円超。
パイロットが突出して高いが、他の職種もおしなべて高水準である。0.5か月分とはいえ、冬期賞与が支給されるうえに、最大10万円の特別手当も支給されるのなら、業績に比して恵まれている。中小企業では赤字が出れば賞与ゼロという例は珍しくない。雇用が維持され、賞与と特別手当が支給されれば、この時期に不満は湧いてこないのではないか――だが、当事者にとってそうはいかない。
高給取りは総じて生活水準が高く、その水準を維持するコストが大変なのだ。まして、ひとたび高めた生活水準を引き下げることは容易でない。ファイナンシャルプランナーに相談すれば現実的な解を示してもらえるだろうが、気分がついていかない。
落魄の心境におちいる恐怖感が生活水準の現状維持を求め、収入ダウンという現実を受け入れてくれないのだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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