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人材確保「機動的戦略を」 経産省、企業向け報告書公表へ

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経済産業省は日本企業に対し、経営戦略に合った人材を確保するための人材戦略を重視するよう求める有識者報告書を近く公表する。経営目標の達成に向けて社内外から能力のある人材を機動的に集める欧米などに比べて、日本企業は人材面の戦略が弱いと判断。デジタルトランスフォーメーション(DX)などを急ぐためにも従来型の人材活用の見直しを訴える。
報告書は一橋大学名誉教授の伊藤邦雄氏が座長を務めた有識者会議の議論をまとめる。経産省は2014年も同氏が座長を務めた会議の報告書「伊藤リポート」を公表。自己資本利益率(ROE)8%超を企業の目標とすべきとした内容で、企業経営に一定の影響を与えた。今回の報告書はこの人材版にあたる。
報告書は「多くの企業で人材戦略と経営戦略が連動できていない」と指摘。人材を人的資本と
とらえ、社内人材の育成だけでなく、外部からの獲得も通して「状況に応じて必要な人的資本を確保する考え方へ転換する必要がある」と訴える。
(日本経済新聞 9月29日)

 これまでもそうだったが、どの業種でも担当業務を問わず、起業家精神をもった人材の確保が求められている。それは、上司の指示に対して即座に行動を起こすのではなく、指示を先取りして自発的に行動できる人材。いわば自走人材である。
 事が起きた瞬間に、本能的に指示を待つか、それとも本能的にみずから動くのか。その違いは先天的な資質にもよるが、すぐれたスキルを身につけていても、自走できる資質を持ち合わせていないと、ここ一番で成果を出せない。少なくとも有事に対応できない。
 経営環境は“常在有事”である。これに適応できる人材を確保するには、たぶんビジネスのメソッドを学ばせながら修羅場を経験させる以外にない。しかも修羅場を乗り切ると、異分野にも通用するポータブルスキルも体得できる。
副業経験によるオープンイノベーションもスキルの幅を広げるが、副業はしょせん副業である。付け足しの域を出ない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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