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ペッパーフードサービスが希望退職者募集の結果を発表 当初の想定を下回る

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ペッパーフードサービスは8月12日、希望退職者募集の結果を発表した。7月3日付で閉店することを決めた114店舗(ペッパーランチ事業を除く)の従業員が95人、閉店する店舗以外の従業員が88人で、合計183人となった。
希望退職者募集の結果  同社は7月3日、低迷しているいきなり!ステーキ事業部門の従業員を対象に、200人程度の希望退職者を募集すると発表している。募集期間は7月6~31日で、退職日は8月31日を予定していた。また、退職者には特別退職金を支給するとともに、希望者への再就職支援を行うとしていた。  
希望退職者数は想定を下回ったが、ペッパーフードサービスは「自然退職による従業員の減少数を踏まえると、当初想定していた水準に達している」とした。  
いきなり!ステーキ店舗数の急拡大や競合の登場などによって、ペッパーフードサービスは業績が低迷している。そのため、ペッパーランチ事業を投資ファンドに売却するなど、自社事業の抜本的な構造改革を進めている。
(ITmediaビジネス 8月13日)

ペッパーフードサービスの希望退職者183人に対する特別退職金の費用は8700万円。一人当たり約50万円が規定の退職金に加算される計算だ。

公開情報によると、同社の従業員数は866人。平均年齢37.6歳。平均年収487万円。退職金は勤続年数や役職による差が大きいだろうが、希望退職の応募者数が募集枠に達しなかった。退職金の水準が(割増分も含めてこれだけ支給されるのなら辞めようか)という水準に至らなかったのかもしれない。

コロナ恐慌が色濃くなった時勢で、再就職に苦労することは必至である。当然、希望退職を検討する社員も世情は認識しているはずで、無職の期間が長引いても耐えられるだけの資金を確保しておきたい。その目途を立てることが難儀な退職金しか得られないのなら、勤務先の今後が茨の道だとしても、ひとまず残留をつづけると判断するのが通例だ。

ペッパーフードサービスはファンドの傘下に入ったが、お決まりのコースとして、数年後には大手外食チェーン企業に売却され、業態もモデルチェンジされるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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