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新卒採用、対面での選考は引き続き減少、内定未取得者に募る不安

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リクルートキャリアの調査によると、2021年卒の現時点での内定率は2020年卒より低いものの、リーマン・ショックや東日本大震災の影響のあった年ほど下がってはいない。だが、内定未取得者からは「コロナで就活がぐちゃぐちゃになった気がする」など不安の声もある。
リクルートキャリアの就職みらい研究所は8月6日、学生調査モニターの大学生・大学院生を対象に「就職プロセス調査」を実施した。
8月1日時点の大学生(大学院生除く)の就職内定率(内々定を含む)は、81.2%(前年同月差-10.0ポイント)と20年卒と比べ低く、現在の採用スケジュールとなった17年卒と比べると同水準となっている。
内定未取得者の就職活動実施率は例年7~8月にかけて少し下がる傾向にあるが、今年は8月1日時点で90.6%と高く、就職活動を継続している様子が伺える。これは採用活動後ろ倒しの影響と考えられる。
学生の各活動の実施率を見ると、Web面接は前年より増加している一方で、対面での選考は引き続き減少。内定率を文理別にみると理系は90.8%(-3.5ポイント)と前年同月同様に推移。文系は、76.9%(-12.9ポイント)と苦戦しているようだ。(MONEYzine 8月7日)

来春の新卒採用は落ち込むが、就職氷河期ほどではない。
リクルートワークス研究所の調査によると、2021年春卒業予定の大学生・大学院生の求人数は前年比15.1%減。求人数が10%以上減少するのはリーマン・ショックを経た11年春以来である。業種別では、減少幅が最も大きいのはサービス・情報業で、前年比21.6%減の7万3100人。つづいて流通業17.9%減、製造業16.2%減だった。

一方、採用面接のオンライン化が進めば、黒づくめの就活スーツで炎天下を歩き回る必要もなくなるうえに、地方在住の学生にとっては都内への旅費を発生させずに済む。オンラインでどこまで人物像を見抜けるかは課題だが、画像の質を向上させるなどして観察しやすいようになるだろう。

採用後はしばらく出社したのちに、リモートワークに入っていくのだろうか。リモートワークによるOJTの手法も開発されるだろうから、これもニューノーマル(新常態)として定着するかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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