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管理職の悩みダントツ1位は「部下の育成」

ono20200810

人材育成サービスを手掛けるラーニングエージェンシー(東京都千代田区)は、2019年12月~20年3月の期間、管理職1070人を対象に「管理職の意識調査」を実施し、その結果を発表した。
管理職の悩み1位は5年前と変わらず「部下の育成」で、5年前より10ポイント増加し50.5%と半数を超えた。2位には5年前のアンケートで5位だった「チーム・部門の運営」が24.9%と続いた。3位は「時間の不足(21.7%)」だった。
 部下の成長度合いをどう感じているかの質問では、「成長している(57.8%)」という回答が最も多かったものの、5年前の69.6%から10ポイント以上減少した。さらに、27.9%が「あまり成長していない」と回答し、5年前の8.8%から約3倍という結果になった。5年前と比べ、部下の成長を実感している管理職の割合が減少傾向にあることが分かる。  
部下との月間コミュニケーション時間については、最多が「2~5時間程度(41.3%)、ついで「1時間程度(24.4%)」となり、部下との月間のコミュニケーション時間が5時間に満たない管理職が全体の6割以上だと判明した。
(ITmediaビジネス 8月3日)

「親はなくとも子は育つ」といわれるが、部下も同様である。成長意欲のある部下は勝手に育つものだ。上司に求められるのは、下手な介入をするよりも、さまざまな機会を与えたら野放しにすることだ。

PDCAサイクルを廻すという名目のもとに”詰める“ことは愚行である。科学的な業務運営を意図しているつもりなのだろうが、非科学的な精神論に暴走している。PDCAサイクルを廻す意味は業務の精緻化だ。

上司の役割とされる「気づきを与える」ことも不要なアプローチだろう。気づいて、それをキッカケに伸びてゆく社員は、みずから問題に気づくものだ。伸びてゆく社員は、みずから気づき、みずから考え、みずから行動して課題を解決する。豊富な社員研修制度が用意されていても、あくまで成果は本人次第である。

では、上司はどうあるべきなのか?それは、ロールモデルになりうる人物であることだ。身近にローモデルが存在することは、部下にとって最良の環境である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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