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若手官僚、7人に1人が辞職意向 30歳未満男性、数年内に

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30歳未満の若手男性官僚の7人に1人が、数年内に辞職する意向であることが、内閣人事局が実施した意識調査で分かった。背景には、仕事への不満や、長時間労働で家庭との両立が難しいとの不安があり、国家公務員の働き方改革が急務となっている実態が浮き彫りとなった。  調査は昨年11~12月、各府省庁に勤務する国家公務員の約3割を対象に実施。約4万5千人から回答があり、今年6月に結果をまとめた。  
30歳未満男性の14.7%が既に辞職を準備中か、1~3年程度のうちに辞めたいと回答。複数回答で理由を尋ねたところ「もっと魅力的な仕事に就きたい」が49.4%で最多だった。
(共同通信 7月24日)

民間企業では新入社員の3割が3年以内に退職する時世である。同じ時代に給与所得者として生きる官僚の7人に1人が、20代のうちに転職を考えることに違和感はない。官僚も時代の空気に例外ではない。

傍目には難関の国家公務員試験に合格したのに、途中でキャリアを投げ出すのはモッタイナイと映るが、当人にとってはほかならぬ自分の人生だ。キャリアチェンジをしやすい年齢期に辞職を考えることは、けっしてネガティブな動向ではない。

問題は動機である。7月20日、厚生労働省の若手職員チームが加藤勝信厚労相に「30代で課長職、40代で局長職となれるようにすべきだ」と提言した。現在でも公務員組織では年功序列が踏襲されているが、意欲と能力のある職員にとって、40代で課長、50代で局長という現行の人事制度は合理的でないのだ。

おそらく年功序列は職業人生の損失に見えるのだろう。そのぐらいの実態は入省前に把握できているはずだが、官僚というステイタスに魅せられて、入省してしまうのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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