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JTB、社員1・3万人の冬のボーナスゼロに

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JTBは社員約1万3000人に対して、2020年度冬季のボーナスを支給しないことが分かった。既に労使間で合意し、6月29日付で同社内で発表した。JTBは分社化などを経ており単純比較できないが、冬のボーナス支給が見送られるのは少なくとも1989年(平成元年)以降初めてとなる。
社員には「あらゆる営業経費の抑制が必要ななかで、大きな割合を占める人件費の抑制を図らなければならない状況になっている」などと説明した。同社が12月に支給するボーナスは定められた基準内賃金の月数に基づいて支払われる。例年、6月ごろに支給額を決定している。
JTBは旅行需要の激減で厳しい経営状況が続いている。20年3月期の連結売上高は前期比6%減の1兆2855憶円だった。
(日本経済新聞 7月8日)

さる7月10日、国土交通省は同22日から旅行代金の一部を支援して観光需要を掘り起こす「GoToトラベルキャンペーン」をスタートさせると発表した。皮肉にも、この日は、東京都の新型コロナウイルス感染者が243人と過去最高人数を記録した。さらにANAが2021年度入社の採用活動の中止を発表した。
テレビではコメンテーターの医師たちが「感染者の多い都道府県に住む人は、旅行するにしても同じ都道府県内の移動にとどめてほしい」と助言している。不要不急でない人の移動を前提として成り立つ旅行代理業には、致命傷になりかねない。

テレワークの普及で移動を控えている渦中に、感染波及リスクを覚悟して、旅行に出かける人はどれだけいるだろうか。
JTBの社員は今冬のボーナスを手にできないが、いきなりの措置ではなく5カ月前の発表なので、生活設計を修正する期間を確保できる。しかも人員削減は着手されない。JTBは厳しいなかでも踏ん張っている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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