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「航空業界は一旦諦めました…」ANA・JALに行きたかった就活生の行方

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国際線・国内線ともに大打撃を受けている中で、航空業界の新卒採用にも大きな影響が出ている。  
5月に入り、ANAとJALの大手2社は新卒採用の一時中断を発表した。両者ともに総合職、客室乗務員をはじめ、ほとんどの職種で凍結となっており、ANAやJAL以外でもスカイマークなどでも同様の状況になっている。  
既に内定が出ている場合には内定が維持されるほか、運航乗務職(自社養成パイロット)や一部の障がい者選考に限って採用活動を継続している。  
このような状況中で就職活動中の大学4年生にも余波が及んでいる。大手2社ともに採用も一時休止したことで、航空業界に志望する学生が現状では応募することすらできない状況に陥っている。 採用再開の可能性があるのかについて考えてみよう。  
ANAは「採用活動の再開および時期については、今後の動向を慎重に見極めながら検討してまいります」、JALも「現在実施している採用活動につきましては中断させていただくことといたしました」とホームページ上で発表している。だが、6月に入ってもまだ判断ができるような状況になっていない。
(現代ビジネス 6月22日)

航空業界と旅行業界はどこまでピンチを凌げるだろうか。
業績が悪化している日本航空は一般社員の夏の賞与を半減させ、赤坂祐二社長と植木義晴会長の夏季賞与はゼロとし、ほかの役員は7割減にする方針だという。だが、その一方で7月に約3万6000人のグループ社員に、1人につき最大15万円の特別支援金を支給するというのだから、社員は恵まれている。

採用中止と賞与カットはセットになって断行されている。
エイチ・アイ・エスは全社員の夏期賞与ゼロを発表した。さらに2021年度の新卒採用を中止するらしい。時事通信は6月25日にこう報じた。

<旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が2021年度入社の新卒採用活動を中止したことが25日、分かった。新型コロナウイルスの影響で業績が悪化しており、今後の事業環境を見通すことが困難となったため。既に内々定を出した数十人については取り消さない。同社は新型コロナ感染拡大を受け、3月下旬から採用活動を中断していた。応募者には24日、採用活動の専用サイトを通じて中止を知らせた。当初は約600人を採用する予定だった>
昔から航空会社と旅行会社が、学生にとって就職人気が高かった。新型コロナが収束したら感染症リスクの高低が就職人気を左右するようになるのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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