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HIS、夏の一時金支給見送り コロナ禍の業績悪化で

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エイチ・アイ・エス(HIS)が今年夏の一時金(ボーナス)の支給を見送ることが26日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大により、業績が急速に悪化しているため。  また、6月の月額給与も役職によって減額する方針。外出自粛に伴う旅行需要の減少で旅行やホテル事業は大きな影響を受けており、2020年10月期の連結純損益は11億円の赤字に転落する見通しとなっている。(時事通信 5月26日)

ボーナスは、制度上は一時金であり、変動幅が大きい。だが、会社員にとっては固定報酬に等しく、住宅ローンや商品購入にボーナス払いを組み込んでいる。

「ボーナスは余禄だから支払いのアテにしない」と考える人は少数派だろう。
だが、ボーナスが余禄とはいえ、いまの年収からボーナスを差し引いた額で生活設計を組み立てるのは至難である。

生活水準を大幅にダウンさせなければならず、生活苦におちいってしまい、自宅を手放す人も続出するに違いない。

受給する側にとっては年棒制のほうが安心だが、会社にとっては、業績次第で変動できる人件費の調整弁として、ボーナスを設けたほうが資金繰りリスクを低減できる。

ボーナス支給の見送りに、エイチ・アイ・エスの社員にも当惑している人がいるだろうが、雇用が維持されるだけ御の字である。かりにボーナスを支給すれば、リストラを断行せざるをなかったはずだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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