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スーパーなど「特別手当」相次ぐ

ono20200505セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の総合スーパー、イトーヨーカ堂はパートやアルバイトを含む全従業員約4万人に、出勤に数に応じた特別手当に加え、2日間の特別休暇(有給)を付与する。ライフコーポレーションも首都圏などで展開するスーパー「ライフ」で働く全従業員約4万人に「緊急特別感謝金」(総額約3億円)を支給する。
ドラッグストア業界も、「スギ薬局」1300店を展開するスギHDが4月10日、パート・アルバイトを含む2万6000人の全従業員に「特別手当」を支給。マツモトキヨシHDも従業員への「感謝金」としてパートらを含む全2万人を対象に特別手当を出すとして、とりあえず4、5月に支給し、6月以降も状況により継続するという。
さらに、家電量販店エディオンは全従業員1万7500人に、1人平均3万2000円(総額約5億5000万円)の一時金を5月1日に支給。首都圏などでホームセンターを展開する島忠も全従業員に4万~10万円を支給する方針――といった具合だ。
(J-CAST 4月27日)

スーパーやドラッグストアの従業員が特別手当を支給する動きについて、日刊ゲンダイデジタル(4月27日付け)のインタビューで、タリーズコーヒージャパン創業者で元参議院議員の松田公太氏はこう語っている。

「美談でいいのですが、スーパーは売り上げが前年比30%増ですから3億円なんてたやすいこと。いまは外食産業はじめ生きるか死ぬか、瀬戸際の会社が多く、それでも頑張っている従業員に何も報いてあげられないので心苦しい気持ちでいっぱいという業種や会社が多いことも考えてほしい。美談はコロナが終息してからで十分間に合います。テイクアウトのニュースが出れば、それで大丈夫だと思われてしまいますが、全然大丈夫じゃなくて9割以上が苦しんでいます」

街を歩くと、多くの飲食店がテイクアウト商品を店頭に並べているが、どのぐらい売り上げ減少をカバーできているのか。松田氏はインタビューで「とはいっても、売り上げは前年比10%にしかなっていない」と述べている。

居酒屋の客単価は、店のタイプによるが、3000~5000円程度が多い。テイクアウトの弁当を販売しても客単価はせいぜい700~800円だ。売り上げ減少を到底カバーできない。デリバリー機能を付加するなど、業態転換を図る飲食店がつづくだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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