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実習生の「窓口」5億円所得隠し 3監理団体に国税指摘

ono20200427

外国人技能実習生の受け入れ窓口として国が運営許可を出している「監理団体」の3団体が税務調査を受け、総額約5億円の所得隠しを指摘されたことがわかった。経費を架空計上して裏金をつくり、代表者による個人的な使用や海外工作に充てたとされる。監理団体は技能実習がきちんと行われているかをチェックする非営利団体で、所得隠しの発覚は初めて。
3団体は、協同組合フレンドニッポン(FN、広島市)▽全国人材支援事業協同組合(長野県佐久市)▽朝日協同組合(同県川上村)。
複数の関係者によると、監理団体で全国最大規模のFNは広島国税局から、他の2団体は関東信越国税局から2018年秋ごろに税務調査を受け、いずれも18年3月期までの数年間に不正な経理操作が発覚した。
FNは国内外の関連会社に一部の業務を委託したように見せかけて架空経費を計上するなどしたとして、約3億円の所得隠しを指摘された。非営利の監理団体は法人税率が一般企業より軽いことなどから、重加算税を含む追徴税額は約5千万円とみられる。
(朝日新聞デジタル 4月20日)

税務調査を受けた3団体のうち、全国人材支援事業協同組合は4月20日付けで、ホームページで次のように報告している。
<2018年秋に当組合に対し税務調査が行われ、修正申告を行いましたことは事実であり、謹んでお詫び申し上げます。

経緯につきましては、当組合としては適法に会計処理をしている認識でありましたが、一部見解に誤りがあり、2015年から2017年の3年間において、修正申告を行うに至りました。但し、当組合におきましては報道の冒頭にあるような裏金づくり等の事実はございません。
 なお、2018年12月には修正した内容の納税を完了し、関係所管行政庁への対応は完了済みとなっており、本日時点で法令遵守の元で事業運営されておりますことご報告申し上げます。>
全国人材支援事業協同組合の幹部は、外国人技能実習生の受け入れを検討している企業を対象に“適切な監理団体の見分け方”というテーマで講演も行っている。しばらくは自粛するのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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