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看護師に「危険手当を」 日本看護協会、新型コロナで要望書提出

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日本看護協会(東京都渋谷区)は新型コロナウイルスをめぐり、看護職への危険手当の支給などについての要望書を2020年4月15日に提出した。
提出先は加藤勝信厚生労働相と西村康稔経済再生担当相。
要望書の中で、医療従事者は院内感染への不安や恐怖を感じながら職務にあたっているとした。中でも24時間患者に関わっている看護職は感染リスクが大きいことや、「感染するから保育を拒否される」「感染するからタクシーから乗車拒否される」といった誹謗中傷を受けていることに触れ、危険を顧みず業務に従事している看護職へ危険手当などを支給するよう求めた。
支給対象は、新型コロナウイルスに感染もしくは疑いのある患者に対応した看護職とその補助を行った看護職で、方法として「危険手当を大幅に増額し、対象看護職個人に支給すること」としている。期間は「国内で初めて新型コロナウイルス感染が流認された日から、新型コロナウイルスの蔓延がほぼ終息したとして別に定める日」までという。(J-CASTニュース 4月16日)

 日本看護協会4月3日に開いた記者会見で、福井トシ子会長は看護師の配置について「感染症治療に伴うガウンテクニックには補助する看護師がいるため、通常の倍の人員が必要になる」と説明した上で、集中治療室の人員にも触れた。

「集中治療室の人員配置は2対1だが、新型コロナウイルス感染の治療では、人工呼吸器や人工心肺を使用している患者1名に2人以上の看護師が必要になる。現状の約4倍の看護師が必要だ」。

さらに福井会長は50床の呼吸器専門病棟の事例を紹介した。2月中旬から10人の新型コロナウイルス感染症患者が入院したが、看護師と看護補助者30人の中から、担当看護師に配偶者や子どもを持たない10人が選抜された。
この10人の看護師は終わりが見えない状況にあって、自分が感染しているのではないかという不安から、精神的にも肉体的にも限界に追い込まれているという。

「看護職30人で4人の夜間配置は無理なので、この病棟では、夜間は2人か3人で患者50人を担当している。この環境では看護師の免疫力が落ちて、看護師自身が感染しやすくなってしまう」(福井会長)
 
看護師には危険手当の支給など特別な処遇が必要だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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