Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

フリーランス4団体、助成金日額4100円に「説明を」

芸能界やメディアなどで働くフリーランスなどでつくる「日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)フリーランス連絡会」など4団体が12日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて新たにつくられる助成金に疑問の声をあげた。
助成金は政府の緊急対応策の第2弾に盛り込まれ、企業に雇われた保護者が休校の影響で仕事を休んだ場合、1人日額上限8330円を企業に支払う内容。制度の対象にならないフリーランスには一定の条件のもとで、その約半分の日額4100円を支払うとしている。MICに加盟する出版労連の北健一書記次長は会見で「親と子どもを守るという意味なら、雇用も非雇用(フリーランス)も変わらないはずだ。なぜ半分なのか」などと話した。
厚生労働省によると、日額4100円は、東京都の最低賃金(1013円)の4時間分相当。企業で雇われて働く人の所定労働時間が一般的に1日8時間であることや、フリーランスは働く時間や報酬がさまざまなことを踏まえたという。ただ、なぜ4時間分なのかなどの具体的な根拠は示しておらず、会見では「どこから4時間という数字が出てきたのかを説明してほしい」との声が相次いだ。
(朝日新聞デジタル 3月12日)

かつて「フリーは不利」といわれたが、いまも変わらない。多様な働き方が推奨され、フリーランスが増加しているが、収入面で損か得かといえば、損であることが多い。

フリーランスの収入は出来高払いである。休めば“無給休暇”となるが、それを覚悟のうえで組織からの解放を望んだのだ。通勤ラッシュから解放され、目標管理制度から管理され、会議や資料作りから解放され、飲み会から解放される。
だが、新型コロナウイルスの感染拡大対策の助成金まで不利になることは、いかにも理不尽である。算出根拠が示されない理由は、説得力が欠けているからだろう。

日額4100円は最低賃金の4時間分である。フリーランスの労働時間は一定していないが、平均して1日4時間であるはずがない。出来高払いの仕事で1日の労働時間が4時間では、多くの場合、生活が成り立たない。

新型コロナウイルス騒動を契機に、フリーランスから正規雇用への就労形態を切り替える人もいるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。