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実習生のスマホ没収 監理団体元職員、禁止行為容疑で逮捕へ

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外国人技能実習生に「罰金を取る」などと告げてスマートフォンを取り上げたなどとして、福岡県警は26日、技能実習適正化法違反(禁止行為)の疑いで、ベトナム国籍の元監理団体職員の女(30)=福岡市東区=を逮捕する方針を固めた。県警への取材で分かった。県警によると、同法違反(禁止行為)容疑での逮捕となれば全国初という。
監理団体は実習生を海外から受け入れ、実習先企業に支援や指導を行う非営利団体。
捜査関係者によると、同市内の監理団体職員だった女は2017年12月4日~18年11月20日、ベトナム人実習生4人に「ルールを守らないと罰金を取る」「ベトナムに帰す」などと言ってスマホを没収、私生活を不当に制限した疑いが持たれている。
女は実習生に「休日外出は2時間以内」「携帯電話没収」などのルールを誓約書として書かせた。破った実習生百数十人から罰金計数百万円を取っていたという。既に返金されている。
(西日本新聞 2月27日)

外国人労働者の受け入れは、違法行為と摘発はモグラたたきの様相になっている。相変わらず“闇ビジネス”の要素が侵入したままで、一向に健全化しそうにない。
事件やトラブルが発覚するたびに「不健全な実習実施者や監理団体は一部で、大半は健全である」という一般論が叫ばれる。
事実、大半は健全なのだろうし、健全な実習実施者や監理団体にとっては迷惑をこうむる事案である。だが、事件やトラブルの頻発を見ていると「一部というが、実態は氷山の一角ではないのか」という疑問も湧いてくる。
外国人労働者の仲介事業の参入障壁はけっして高くないうえに、むかしの手配師とか口入屋などの体質が継承されているのだろか。悪質な業者は淘汰されていくが、新規参入も増えている。
特定技能による受け入れが本格的に拡大すれば、事件やトラブルも増えて、またしても国際的な批判を浴びる可能性もある。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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