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働き方改革で平均労働時間減少 長時間労働の男性なお多く

20200303

内閣府がこのほど公表した日本経済の現状や課題を分析する報告書「日本経済2019―2020」によると、19年の月間平均労働時間(パートを除く)は製造業で前年より3・5時間、非製造業で2・9時間それぞれ減少した。働き方改革に伴う残業の減少と有給休暇の取得が進んだのが主因。ただ、長時間労働の男性は欧米諸国より依然多く、30歳代女性の労働参加率を抑制しているとしている。
平均労働時間の減少は、働き方改革関連法が19年4月に施行され、全業種で年5日の有給休暇取得が義務化されたほか、大企業で月45時間を上限とする残業時間規制の導入が大きい。17年は製造業で前年比0・3時間増、非製造業で0・1時間増、18年は製造業で0・3時間減、非製造業が1・4時間減だったが、19年はそれぞれ大幅に減少した。製造業は残業減少が、非製造業は有給取得の進展が、それぞれ労働時間削減に大きく寄与した。
(毎日新聞 2月26日)

新型コロナウイルス対策で続々と導入される在宅勤務によって、業務の仕組みを変革して労働時間を短縮できれば、働き方改革が進むのではないか。

少なくとも在宅勤務は進みそうだ。利便性を味わった社員からも、在宅勤務の導入を望む意見が出るに違いない。
さらに在宅勤務に適応できる業種・企業と適応できない業種・企業とでは、採用力に結構な差が出るだろう。通勤時間が省かれれば、地方での生活も可能になる。地方移住を指向する人にとっては、転職リスクを回避して、いまの仕事をキープしたまま移住できる。

地方から都内の職場に通うスタイルは、むかしから大学教授に多く見られた。出勤が週に数日なので地方に自宅を構えられるのだ。
一方、製造業や外食産業、流通業など現業部門を持つ企業では、本社勤務者にしか在宅勤務の対象にならず、採用が不利になるかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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