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「就職氷河期」の職員募集 県内初、世代限定で採用 熊本県荒尾市

20200228

熊本県荒尾市は18日、バブル崩壊の影響で就職難だった「就職氷河期世代」を対象とした市職員採用試験を実施することを明らかにした。県市町村課によると、同世代を対象にした自治体職員の採用試験は県内では初めて。
政府は就職氷河期世代の集中支援を打ち出し、この世代の正規雇用者を3年間で30万人増やす計画を掲げている。総務省によると現在、全国約20の自治体で採用試験を実施または募集している。
同市によると、募集職種は土木で、1974年4月2日~85年4月1日までに生まれた人が対象。さらに土木関連の職務経験が3年以上あり、かつ2020年2月1日現在、荒尾市が指名登録している建設業者などで働いていないことを条件としている。
採用予定者数は2人程度。応募期間は 2月17日から3月 6日までで、学歴や居住地は問わない。筆記試験はなく、書類選考後、3月20日に面接がある。採用予定日は5月1日。浅田敏彦市長は「人物重視の試験で、できるだけ多くの人に門戸を開いた。業務の専門知識は入庁後に育てていきたい」と話している。
(熊本日日新聞 2月19日)

中央省庁や自治体が就職氷河期世代を採用するニュースが増えている。就労支援というピーアール効果を狙っているのだろうが、採用人数は少ない。ただ、公的機関や自治体が就職氷河期世代を採用すれば話題になるので、民間企業への波及効果も期待できるだろうか。

それは難しいだろう。民間企業に波及して、この世代の正社員比率が高まることは期待できない。
この記事にある熊本県荒尾市が募集する職種は土木だが、「土木関連の職務経験が3年以上」が条件だ。民間企業が氷河期世代の専門職を採用する場合、職務経験3年以上は対象にならない。

この年代なら最低でも10年の経験を求めるだろうし、総合職なら管理職経験が求められる。民間企業の場合、就労支援とはいかない。判断基準はコストパフォーマンスに見合うかどうかである。

しかも、民間企業にとって、氷河期世代は早期退職の対象世代に入っている。このままズルズルと非正規状態が続くのだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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