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積水ハウス、前会長が経営陣刷新要求 自らの取締役復帰も

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積水ハウスに事実上解任された和田勇前会長らが17日、東京都内で記者会見し、今年4月の定時株主総会で、自身を含む11人の取締役候補者の選任を求める株主提案を行うと発表した。阿部俊則会長ら現経営陣の刷新を求める。和田氏は、同社が架空取引で地面師グループに土地購入代金をだまし取られた事件をめぐって2018年、当時社長だった阿部氏の解任動議を出したが、逆に解任された経緯がある。

和田氏は他の取締役候補者とともに会見し、「現役復帰が目的ではない」と強調。株主提案の理由として、事件への積水ハウスの対応を挙げ、「会社は被害者と言っているが、これは不正だ」と批判。提案が認められれば第三者委員会をつくり、事件の全容解明を進めるという。
(SankeiBiz 2月18日)

積水ハウスのトップ人事が紛糾した原因は、地面師グループによる詐欺事件で被害を受けたことだが、この事件について、老舗探偵会社の児玉総合情報事務所社長・金澤秀則氏に取材したことがある。
金澤氏は事前の調査不足を指摘した。

「この事件は、私どものような探偵事業者が信用調査に入れば、相手方ひとり一人の素性を把握して、被害を未然に防げました。実際、このところ不動産売買に関わる信用調査の依頼が増えていますが、地面師グループの関与が判明して、被害を未然に防げたケースもあります」

運転免許証、印鑑登録証明書、健康保険証なども偽造の技術が進んでいるので、なかなか見抜きにくいことについては、こう説明した。
「確かに印刷技術が進んでいますし、印影を偽造する技術も進んでいるので、見抜きにくくなっています。公的な書類で人物の真偽をチェックする場合、公共料金の領収書がひとつの有力な材料になります」
説明を受ければ、なるほどと思えるが、こうした調査を専門会社に依頼することに(きわどい取引をしているのか?)という心理的な抵抗が働いてしまう例が多いという。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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