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就職氷河期世代支援、都が7億円 企業へ助成金、職員採用実施へ

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東京都内で約11万~12万人と推計される「就職氷河期世代」の非正規雇用や無職の人々に対する支援策として、都が2020年度の予算案に計約7億円を計上し、正規雇用や育成に関する企業への助成金支給や都職員の採用試験などを実施する方針を固めたことが21日、関係者への取材で分かった。
バブル崩壊後の就職難だった人々が多く職を求めているとみられる大都市圏の自治体独自の救済策として注目されそうだ。都は不安定な就労が長期化し、既存の取り組みでは支援が不十分な状態が続くと分析。3カ年で集中的に正規雇用化を図る国の方針と足並みをそろえ、対策を強化する。
(共同通信 1月22日)

就職氷河期世代の非正規労働者にとって正社員に転身できる機会は、この話題が社会課題として俎上に載せられている今しかないだろう。このタイミングを逃すと、氷河期世代は40代後半にさしかかってしまい、企業にとっては“余剰人員世代”に該当する。
政府も何とか今のうちに手を打っておきたいのではないか。
そのために率先垂範するかのように、中央省庁が“当事者”として解決に乗り出した。
厚生労働省は氷河期世代を対象に10人の中途採用職員を募集し、約2000人の応募があって、採用後は本省の正規職員に採用されるという。さらに内閣府も氷河期世代を対象に、中途採用の募集を実施した。人数は「若干名」だが、各省庁が氷河期世代を雇用する呼び水になるかもしれない。
ただ、入省後に活躍できるかどうか。省庁はブラック企業以上に労働期間が長く、組織文化もまったく違う。志や使命感を過剰にもつと失望しかねない。安定した職を得たという割り切りも必要だろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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