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看護師地方に派遣 厚労省方針

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厚生労働省は看護師や助産師の人手不足で困っている地域で人材派遣を可能にする方針だ。看護師は職員として採用されるとの原則があり、例外措置として認める。地方や島しょ部などでは看護師らが足りず、診療所などの閉院につながることがあるためだ。看護師が派遣として働けるようにして、地域の医療体制を維持できるようにする。
労使の代表や学識者で構成する労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で、2020年度中に労働者派遣法で定めるルールについて議論を始める。早ければ21年度を念頭に、厚労省が必要と認める地域については看護師らの派遣を認める。
(中略)
看護師や助産師などの看護職員数は最新の統計である16年末時点で166万人。育成や離職防止の効果もあり、5年間で11%増えた。一方で看護師などの有効求人倍率は19年11月に2.37倍と、1.5倍程度で推移する全産業を大きく上回る。
(日本経済新聞 1月18日)

医療従事者の働き方改革が急ピッチで進んでいる。その端的な例が2020年度診療報酬改定である。今回改定では勤務医の働き方改革への対応として、診療報酬として0.08%に相当する126億円程度、さらに地域医療介護総合確保基金から公費 143億円程度が充当される。
厚生労働省は診療報酬改定に際して4つの基本方針を示したが、そのひとつ、働き方改革が「重点課題」として他の3方針よりも上位に位置付けた。この措置が働き方改革を診療報酬に反映させる決め手になった。
診療報酬の詳細を決める中央社会保険医療協議会は、1号側(支払側)委員、2号側(診療側)委員、公益委員で構成され、1号側は働き方改革を診療報酬に反映させることに反対していた。働き方改革は地域医療構想、医師の偏在対策とともに三位一体改革として推進されているため、「三位一体改革が上手く進んでいない中で、働き方改革に次回改定で対応することに明確に反対する。三位一体改革の進捗を見ながら検討すべきだ」と主張していた。
だが主張は通らず、2020年度診療報酬改定は“働き方改革改定”の要素が各項目に色濃く反映されている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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