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副業、4割が容認姿勢 労働時間の管理は 100社調査

20191223

政府が推進する働き手の副業について、朝日新聞が全国の主要100社に取り組みを聞いたところ、4割が「認めている」、または「認める方向」と答えた。ただこのうち、副業の労働時間も合算して管理するのは4社にとどまり、健康管理の課題も浮かび上がった。
アンケートは11月11日~22日に実施した。多くが日本を代表する企業で、業種も製造業からサービス業まで幅広い。
「副業をすでに認めている」と答えたのは30社。このほか、「副業を認める予定、または認める方向で検討している」も7社あった。一方、21社が「副業は認めていないし、認める方向での検討もしていない」と答えた。
副業に前向きな企業からは、「専門能力が高く市場価値の高い人材は、副業を通じて技能や知見を磨いている」(SOMPOホールディングス)といった期待の声が聞かれた。10月から副業を解禁したみずほフィナンシャルグループは、「社内外で通用する人材としての価値を高めていくため」と説明した。
(朝日新聞デジタル 12月16日)

業績が悪化していなくとも、事業構造の転換を目的に、中高年社員を希望退職させる例が目につく。社員が使い捨ての消耗品として扱われる以上、防衛手段を講じなければ生活設計が狂ってしまう。

たとえ割増退職金を支給されたところで、現役世代にとっては、貯蓄が増えた程度にすぎない。副業によって、もうひとつの収入源を確保しておくことは、まさに生活防衛である。
いまや副業は生活防衛のセーフティーネットになったのだ。

副業を解禁しているかどうかは、おそらく採用にも影響してくるに違いない。解禁していない企業は、その理由をきちんと説明できないと不信感をもたれてしまうのでないか。

一方、政府は企業に対して、副業を認めなければ終身雇用を義務づければよいのだが、倒産されてしまったらお手上げである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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