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学生の内定辞退「マイナスと捉える」会社の盲点

ono20191028

昨今の採用難時代を背景に企業が学生の内定辞退率の高さに悩んでいます。ある調査に
よれば平均的には内定を出した学生のうち6割が内定辞退をするという状況です(つまり、4割しか内定受諾をしない)。
大企業や人気企業を含んだ平均でこの数字なので、中小企業やベンチャーなどは、もっと悪い数字だと思って間違いありません。場合によっては、数カ月間に渡る採用活動の末に、数名に内定を出したが結局1人も残らなかったというようなケースもあり、採用担当者の疲弊感は想像に絶えません。そのために、企業はなんとかこの内定辞退率を下げられないかと工夫をしようとしています。
しかし、まずそもそもの話をしますと、採用担当者にとってつらく大変なことではあるものの、内定辞退自体は悪ではありません。
自社の採用ブランドに依存せずに優秀な人材を頑張って発掘し、出会っていけばいくほど、採用競合は強くなって、必然的に内定辞退率は高まります。
(東洋経済オンライン 10月21日)

学生の内定辞退について人事担当者はどう思っているのだろうか。このニュースへの書き込みをチェックしたら、こんなホンネが書かれていた。
「人事担当者から言えば、内定辞退よりも入社後すぐに退職されるほうがつらいですよ。こちらのほうが当社を否定された気分になります」

「採用する側です。内定辞退、そのものはお互いの選択なので問題とは思いません。学生さんの側でも、少しでも良い条件の会社に行きたいのは当然。但し、早めに意思表示はして欲しいですね。
または、*日までに入社の意志を明確にしますとか。会社の側も、駄目ならば次点を繰り上げ採用とか、追加採用をする必要があります。お互いの立場を考えて行けるのが望ましいと思います」

いずれも学生の立場を理解している。自分が就活生だったときを思い出せば、内定辞退はやむをえない選択と判断せざるをえないのだろう。
内定者確保にために酒食でもてなしても、辞退する学生は辞退する。むしろ接待行為に底の浅さを見てしまうかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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