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日本フードサービス協会、特定技能の審査緩和を要請

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「『特定技能』が始まって半年。外食では1500人の外国人が試験に合格したが、ビザが交付されたのは20人強。審査が厳しすぎ、働きやすい環境づくりに逆行している」

4月に始まった在留資格、特定技能の立ち上がりに外食の業界団体、日本フードサービス協会の高岡慎一郎会長は不安を隠さない。「いまのままでは働き手を増やすのは難しい」。手続きを迅速化するよう所管官庁の法務省に間接的に要請したという。(日本経済新聞 10月14日)

外食企業に限らず、外国人材の雇用で問われるのは定着である。同業種内なら転職ができる特定技能では、就労環境次第でころころと転職されかねない。外国人材の受け入れを手がけているコンサルティング会社代表は、シンポジウムでこう説明した。

「外食企業にとって日本語の上手い下手は重要な問題ではありません。人事担当者に高く評価されたベトナム人は面接でこう言いました。言われたことは何でもやります。絶対に辞めません。夢はとくにありません」。

同じ企業で不採用になった人に有名調理学校の卒業生がいた。2年間学んだので日本語は堪能だった。なぜ不採用になったのだろうか。

「不採用になった第一の理由は、あれもやりたい、これもやりたい、と要望が多いこと。第二の理由は、あまり残業をしたくないことで、第三の理由は、いろいろな夢を持っていること。大体、こういう人は何かあると、すぐに辞めてしまう」。

もっとも、日本の大手企業でも、目的意識が明確な社員は20代で辞めて起業する例が多いから、定着を優先するなら受け身タイプのほうがよいのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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