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ミドル世代の転職、5年で3割増

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35歳を超えると減少する転職市場だが、近年はミドル世代の市場が拡大している。総務省の労働力調査によると、2018年の転職者数は約329万人で8年連続増。年齢別では45歳以上が124万人で5年前に比べて3割以上増えた。

日本人材紹介事業協会がまとめた人材紹介大手3社の紹介実績でも、18年10月~19年3月の41歳以上の転職者数は5028人で、前年同期に比べて40.4%増えた。

人材サービス大手のエン・ジャパン担当者は「バブル期に社会人となった40代後半から50代前半は近年、中小企業の需要が高い。大企業が大量採用した世代で、中小企業は人材確保に苦労した。事業承継やスキルの高いベテラン人材としての期待が高まっている」と分析する。(日本経済新聞 10月6日)

このところ転職に関するニュースが多いが、自分が当事者として関わる問題だけに読者の関心も高いのだろう。10月9日付け日本経済新聞に「入社直後の就活再開急増 キャリア早めに見直し」という記事が掲載された。

この記事によると、今年4月に外資系コンサルティング会社に新卒で入社した女性(23)は今夏から転職活動をはじめた。複数の転職サイトに登録し、SNSを通じて他社で働いている複数の人に接触している。「今の仕事に不満はないが、自分の能力を試したい」と明かしたという。

この女性は外資系コンサルティング会社に入社したのだから、たぶん優秀なのだろう。「今の仕事に不満はないが、自分の能力を試したい」そうだが、まず今の職場で能力を試してから、必要があれば転職を考えるというプランをもたないのだろうか。外資系コンサルティング会社で一定の実績を積めば、相応の市場価値がついて自分を高く売れるのではないかと思うが、それは旧世代の発想なのだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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