Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

ベテラン介護職員 賃上げ SOMPOは最大23%へ

ono2019101001

介護サービス大手8社が10月以降、ベテランの介護福祉士らを中心とした職員の賃上げに動くことが分かった。対象者は約5万4千人に上る見通し。深刻な人手不足で空きがあっても受け入れできない施設も出てきており、各社は経験を積んだ職員の賃上げで介護職の処遇改善をアピールして人材の確保を狙う。
SOMPOホールディングスなど上場する介護大手10社を対象に聞き取ったところ、回答があった9社のうち、ウチヤマホールディングスを除く8社が10月からの賃上げを行うと答えた。

政府は10月の介護報酬改定で、消費税の増税分を財源に年1千億円程度の公費を投入し、経験・技がある現場のリーダー級の職員の処遇を改善した場合に介護報酬を上乗せする「特定処遇改善加算」を導入した。大手各社はこの加算などを活用して賃上げに動く。(日本経済新聞 10月2日)

この記事によると、大手介護事業者は次のような処遇改善策を実施する。

・SOMPOホールディングスは、人材確保の難しい地域などを対象にリーダー職の年収を最大で約80万円、それ以外に職員は最大で約65万円引き上げる。リーダー職の年収を看護師と同等の水準まで引き上げる。

・ベネッセホールディングスは、勤続10年以上のリーダー職のうち、年収500万円以上の割合は現在70%だが、84%まで引き上げる。リーダー職以外の職員70%に対して年収440万円以上に引き上げる。

・学研ホールディングスは、ベテラン職員を中心に介護報酬の加算額を上回る賃上げを実施する。

今回の特定処遇改善加算は消費増税にともなう財源が前提である。一時的な措置で来年以降の継続性は期待できないだろうが、それでも政府が処遇改善に動いたことはプラスだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。