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外国人労働環境 改善へ企業支援

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厚生労働省は外国人労働者が働きやすい環境を整える企業を支援する。一時帰国や外国語の作業マニュアル作成などの費用を2021年度から助成する。人手不足を背景に国内で働く外国人は146万人(18年10月時点)と5年間でほぼ倍増した。アジアなど海外との人材獲得競争も激しくなるなか、受け入れ環境の充実を後押しする。

外国人を雇っている事業所は全国に約21万6000ある。このうち6割が従業員30人未満の小規模事業所で、製造業が最も多い。作業現場でのコミュニケーションがうまくいかず、外国人が知らないうちに就業規則に違反したり、危険な場所に立ち入ってしまったといったトラブルもある。

厚労省はハローワークへ外国人の雇用を届け出ている事業者を対象に、外国語で記述する看板や就業規則、作業マニュアルなどを作る費用を補助する。(日本経済新聞 9月22日)

製造現場や建設現場で、おそらく外国人労働者は危険度の高い業務を担当させられるだろう。外国人労働者採用の目的は人手不足対策だけでなく、日本人が忌避する業務の要員確保も含まれているだろう。危機管理対策は必須である。

一方、外国人労働者の受け入れでは、子供の就学が深刻な問題に浮上した。文部科学省の調査では、日本在住の外国人の子供のうち、小中学生に該当する12万4000人に中で約2万人が未就学である可能性がある。さらに就学している子供のうち、約5万人に日本語指導が必要だという。

この問題について、朝日新聞(9月27日付)はこう報じている。

<全国の教育委員会を通じて、今年5月時点で住民基本台帳に記載がある外国人の子らを対象に調べた。その結果、保護者に面会するなどして不就学と確認できた子が1千人、戸別訪問時に親が不在などで就学状況を確認できなかった子が8768人、台帳に記載はあるが自治体が状況を確認していない子が9886人に上った。不就学の可能性がある子は、東京や神奈川、愛知、大阪など都心部に多かった>

難問山積である。想定外の問題が次々に浮上しても不思議でない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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