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65歳以上の就業率は24.3%、主要国で高い水準

70歳以上の人口は98万人増の2715万人で、総人口に占める割合は21.5%に上った。ほかの年齢層に比べて増加数が多いのは1947~49年生まれの「団塊の世代」が含まれるためだ。
同省によると65歳以上の割合は世界201の国・地域のうち最も高い。2位のイタリア(23.0%)を大幅に上回っている。国立社会保障・人口問題研究所の推計では今後も上昇し、2025年に30.0%、40年には35.3%に上る見込みだ。
働く高齢者数も増加している。労働力調査によると、65歳以上の就業者数は18年、862万人と過去最多を更新した。15年連続で前年より増えた。約半数の469万人が企業などに雇用され、このうち76.3%にあたる358万人がパートなど非正規雇用だった。非正規職に就く理由は男女ともに「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多となった。
日本の高齢者の就業率は18年時点で24.3%。男女別では男性が33.2%、女性が17.4%だった。主要国の中でも高い水準にあり、米国は18.9%、カナダは13.4%だった。
政府は人手不足などの問題を解決するために、70歳までの就労機会を拡大する法改正を準備している。企業が深刻な人手不足に直面し、労働市場で高齢者が担う役割が拡大している。
(日本経済新聞 9月15日)

公的年金の給付年齢を75歳まで選択できる案が報道されたが、報道機関にリークされた以上、水面下では着々と制度化への準備が進んでいるに違いない。就業年齢の当面の政策ターゲットは70歳だが、ほどなく75歳に引き上げられるだろう。

75歳まで働けば、健康寿命が保たれているうちは働き、余生を送るのは健康寿命を終えてからという人生設計になる。生涯現役としてプラス評価するか、働き詰めの人生としてマイナス評価するか。評価は人それぞれで正解はないが、政府が狙うのは生涯現役の推進である。

あらゆる機会をとらえて政府は社会参加を訴え、就労価値を浸透させる手段を打ってゆく。インセンティブを設けて政策誘導にも着手するだろう。人手不足対策と社会保障費抑制はそこまで深刻に進んでいるのだが、それにしても――。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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