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リクナビ問題「遺憾」と厚労相 法律違反があれば厳正に指導

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就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが個人データを基に予測した就職活動中の学生の内定辞退確率を企業に販売していた問題を巡り、根本匠厚生労働相は8日の記者会見で「就活生に不安な気持ちを抱かせることになり大変遺憾」と述べた。

今後の対応について、一般論とした上で「法律違反があれば厳正に指導することになる」と述べ、所管の労働局が事実関係の確認など必要な対応を取るとの見解を明らかにした。また、同社から個人が特定できる情報とともにサービスを受けていた38社に対しても、同様の考えを示した。(共同通信 8月8日)

リクナビのデータを無断で使用された学生数は7983人で、データの販売先は38社と判明した。どのぐらい売り上げたのだろう。

データを購入した企業はリクルートキャリアからどんな説明を受けていたのか。学生の同意を得たという説明を受けたのか、何も説明がなかったのか、あるいはリクルートキャリアの営業担当者に学生への同意を確認したのかどうか。

この問題は情報管理の甘さとか、法令遵守の不徹底から発生したのではないだろう。リクルートキャリアと企業との“裏取引”は発覚しないという判断から、学生への同意を省いたのではないか。

企業の採用担当者には採用ノルマが課せられ、その達成度が業績評価にも反映される。だから内定辞退への不安にさいなまされるのだが、ルール違反はアウトである。

学生の人生を左右する問題だけに、早期の幕引きは許されない。当局の調査結果によっては38社の社名公表も必要な措置だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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