Talk Genius

人と会社と組織を考えるニュースマガジン

内定辞退 早めに連絡を 手紙と電話で誠意伝える

ono2019081402

そろそろ内定を取った人も多いと思う。おめでとう。売り手市場で複数内定を取った学生が多い今年、次に頭を悩ませるのは内定辞退の方法だ。

内定は1社に絞って、残りは辞退しなくてはならない。10月1日の内定式まで引っ張らずに、早めに辞退してほしい。そうしないと、他の学生の邪魔をすることになるし、何より企業にとっては大迷惑である。1人内定者が減ると他の学生を再び採用しなくてはならないからだ。そのための時間と労力を考えると、早めに辞退しないと失礼である。

それはみんな重々わかっているけれども、やはり辞退の連絡は気が重いものである。「もしも謝りに来いと言われたらどうしたらいいんですか?」と、ことさらこわがっている人もいる。万が一そう言われても、行かなくていい。会社も学生も時間が無駄になるだけで、何のメリットもないからだ。

10年くらい前、内定を辞退するために誤りに行ったら「コップの水をかけられた」という話を聞いたことがあるが、今はありえない。都市伝説の一つにすぎない。(日本経済新聞8月6日)

就職のスタンスは「就職させていただく」でもなければ「就職してあげる」でもない。「就職する」という対等な行為である。企業からの不合格の通知が郵便物で届くのなら、内定辞退も文書で通知すべきだが、不合格の通知が“お祈りメール”なら、学生からの内定辞退もメールで十分である。

学生が内定辞退の通知方法に悩むのは、人事担当者から詰められないだろうかという不安があるからだろう。

たしかに内定辞退に訪問したら、担当者から嫌みをいわれたとか、罵声を浴びせられたという例があるそうだが、それは訪問したからだ。内定辞退の通知で訪問することは礼儀ではない。誠意と受け取る担当者もいるだろうが、お互いに時間の無駄である。

いまどき、内定辞退者を呼び出して真意を問い質す人事担当者はいないだろうが、かりに訪問を求められれば断ればよい。呼び出しは、程度によっては強要行為となる。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

この著者の記事を全て見る

Talk Geniusとは-

ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。